キスをしよう
物陰に隠れて
曲がり角で
傘の中で
その大きい身体で俺を隠して
―――キスを、しよう
「ダ、イ……」
舌を伸ばして。
口付けをせがむ。
首に手を回して。
足りない身長分を、ダイを引き寄せることで埋めて。
「ダイ…」
口唇を求める。
俺の顔を隠すように、壁に付かれた手。
もう片方で抱きかかえられた腰が、疼く。
薄暗い、人通りのない廊下の突き当たり。
非常階段の入り口近くで、隠れるように逢瀬。
密会やな、なんて。
そんなことを思って、ふと笑う。
一個所がガラス張りになっている非常階段のドアの向こう側は、いつ降り出したのか雨模様。
時間が時間やのに、途切れることのない煌々としたネオンが雨で滲んで見える。
「ダイ」
舌を絡めて。
上がった息をそのままに名前を呼んで首に回した手に力を込めると、
ダイがそっと頬に口付けをくれた。
頭上で、切れかかった非常灯がチカチカと点灯する。
飽きることなく、口唇を触れあわせて。
お互いの口腔をまさぐって、酸素を奪い合って。
銀糸をひいた口唇。
それすら気にすることなく、また、口付けて。
「薫…」
掠れたダイの声が耳元に落ちてくる。
熱を持った身体が、熱い。
その手に触れられた、身体が、疼く。
「ダイくーん?薫くーん?」
遠くから、トシヤが名前を呼ぶ声。
休憩終わりだよーという声に、今は、聞こえないフリをして。
目を閉じて、ダイの身体を抱きしめる。
降ってくる口唇を、甘んじて受け止めて。
「あと、もう少しだけ」
この感触に、酔っていたい。
END
密会。爆
隠れてキス、って、雰囲気が好きなんです
薫くんに覆い被さってるダイくんの図にキュンときて書き上げた話
お粗末様でした