花火
4thshot

 

「ココ、やっけ…?」

竦んだ身体を開いた片手で抱き留めながら、反応のあった弱い部分を指先で掠める。

「あ、あぁ…ッ…」

開きっぱなしになった口唇から、零れ落ちる鼻にかかった甘い声。
腰が無意識にか、揺らいで。
貪欲に俺の指を飲み込んで、強く締め付けてくる。

「は…ァ、ッ…ダイ…!!」

熱に浮かされ、欲に溶けた、この瞳が好き。

唾液で濡れた口唇に舌を這わせれば、自分から舌を差し出して絡ませてくる。
普段の薫からは想像出来ないような淫らな姿に、ただ煽られるばかりで。
求められるがままに深い口付けを与えてやりながら、くぐもらせた指先で胎内を探って。
イイトコロを掠め取りながら、不意に擦りあげ、その身体を溶かしていく。

常に鼻先を掠める人工的な甘い香りが、熱で溶けて。
汗の匂いとまじって、思考回路を音もなく焼いていく。

ただ、甘く。
誘われるがままに、請われるがままに。
その身体を開いて。

はだけさせた浴衣。
帯のみでかろうじて薫の身体に引っかかっているそれが、余計に俺の情欲に火を付けた。
裾を捲りあげたままの状態で、細い足首を掴んで強引に脚を開かせて。

蜜を塗り込んだ秘所から、つ、と一筋、白い太股に赤い透明な液体が零れ落ちる。
あまりに淫猥な光景に、目が眩んで。
ただこくりと息を呑む。…もう、臨界点はとっくに突破してた。

「ちょっ、ダイ!!」

あまりの痴態に慌てたように身体を起こす薫。
じたばたと腕の中で足掻くその両腕を頭の上で一纏めに縫いつけると、その帯を解いて。

「なっ!?」

驚いたように声を上げる薫の両腕を縛り上げる。
そのまま浴衣を割り開いて。
露わになった胸元に口付けを落としながら、濡れた音を零すそこに何の前触れもなく3本、指を突き立てた。

「ひゃ………ッ!!」

びく、とのたうつ身体。
露わになった首筋に舌を這わせて。
今度は焦らすこともなく、知り尽くした指で薫のイイトコロを絶えず刺激してやると、声もなく首を打ち振る薫。
爪先が、くしゃくしゃになった浴衣の裾を蹴って。宙を舞う。

「あ、っ、ダイ、ぃ…ッ…!!」

そんな薫を見つめながら、首元に引っかけていたネクタイに手をかける。
しゅ、と衣擦れの音をさせて引き抜いたそれを、ぎゅっと閉じられた瞳の上に被せて。

「ダイッ!?」

濡れた、蠱惑的な瞳を覆い隠すように頭の後ろで縛る。

「うっわ…エロ……」

少しばかり身体を後ろに退かせて、その姿をマジマジと見つめて。
思わず零した声は、思いの外掠れていた。

「ダイッ…!!外せや、コレ…!!」

そんな俺の視線から逃れるように身体を必死に横に倒しながら、薫がそう言い募る。
見えんくても見られてるのは感じてるんやろう、身体はさっきよりもさらに紅潮して。
触れられてもない前の部分からぽつりと蜜が零れ落ちた。

ふと、部屋の隅に見慣れないアイテムを発見して。
口元に笑みを浮かべながら、ギシ、とわざと音をさせてベッドを降りる。

「だ、ダイ…?」

それだけで不安そうに声を上げる薫。
そんな薫に答えないままに、手に取ったアイテムを部屋の壁に立てかけて。

薫の身体の直ぐ傍に膝をつく。
重みでベッドのスプリングが軋んで。沈み込む。

はだけた浴衣。
綺麗に結い上げられていた髪も、今はやけにしどけなくて。
濡れた胸元や、所々に浮かび上がる赤い跡。

どうしてこんなにも俺を誘ってやまないのか。

「ダイ……?」

か細い声で、俺の名前を呼ぶその口元ですら。



「…おいで」

その身体を抱き上げて。
力が入らないのか、ふらつく足下を支えながら、部屋の隅に導く。

「手、ここかけて」

先程立てかけたアイテムの隅に、縛られたままの薫の手をかけて。

「だ、ダイ?」

何をしようとしているのかわからず不安なのか、ただ俺の名前を呼ぶ薫の身体を背後から掻き抱いたまま、
ちゅ、とその耳元に口付けを落とす。
そうして、ゆっくりと。
薫の頭の後ろで結い上げていたネクタイを、ゆっくりと口で銜えて解く。

ぱらり、と音をたてて足下に落ちる細い布。

「………ッ!!」

そうして目の前に現れた自分の姿に、腕の中の薫はただ息を呑んだ。
途端に顔を赤らめて。ぱっと目を逸らす。

「何で逸らすん…?」

露わになった首筋に舌を這わせながら問いかける。
ひく、と震える身体。手は胸元や腿を思わせぶりになぞって。

浴衣の裾をさばいて、露わにした蜜口に、凶器を押し当てる。
もう、限界近いソレ。
濡れた入り口をなぞれば、無意識にか薫の腰が揺れて。

「薫…欲しい?」

耳の軟骨部分に歯を立てながら、問いかける。
声もなく、こくこくと頷く薫。
期待にか、ギリ、とアイテム
―――やけに大きな姿見―――のフレームに縛られたままの両手の爪が立てられて。

「じゃ、目開けて?」

俺にも余裕なんてあったもんじゃない。けど。
あくまで余裕を装った俺の言葉に、薫はぎゅっと目を閉じたまま首を横に振る。
そんな薫の耳に舌を突っ込みながら、欲しくないん?と囁いて。

「………っ、や…」
「ほな目開けて?ええ子やから」

な、と薫の腰を固定して俺自身を突き立てながら。
口調だけは優しく、凶悪な脅迫を口にする。

観念したのか、恐る恐る目を開けた薫に、鏡越しに視線を合わせて。

「薫、好きやで」

そう囁いて、一気に自身で薫を貫いた。

「ひぁ…ッ!!」

突然襲いかかった衝撃に、薫はがくん、と身体の力を抜いて。
途端に崩れかけた身体を腰に回した腕で支えながら、ゆっくりと律動を開始する。

「あかんって、薫。目ぇ開けとかな、やらんで…?」

頑なに首を横に振る薫の耳元でそう囁きながら、軽く腰を打ち付けて。
浅いところでグラインドさせてやると、イイトコロを掠めたのか身体を竦ませる薫。
焦らすように同じ行為を繰り返してやると、閉じることを忘れた口から甘く強請る声が零れ落ちた。

「ダイ…っ、もっと、おく………ッ!!」
「ほな目開けてよ…?」

俺の言葉に、薄く目を開けて。
鏡に映った自らの痴態を睨みつける。
そんな視線にすら、煽られて。

「薫、見て…?いっぱい零れてる…」
「言、うな…ぁっ…」

ほとんどずり落ちて、辛うじて腕に引っかかってる状態の浴衣。
露わになった身体の中心からは、ぽつぽつと蜜が滴り落ちて。
足下に液溜まりを作っている。

指先で先端をなぞってやれば、俺をくわえ込んだところがきゅぅ、と締まって。
強く締め付けて、離そうとしない。

時折背後で花火が上がっては、薫の白い肌を照らし出して消えて。
その肌をなぞりながら、指先に引っかかった突起に爪を立てると、薫が甲高い声を上げて啼く。
ただ、甘く。淫らに、掠れて。

「もう花火も終わりやなぁ」

先程からフィナーレであることを示すかのように立て続けに上がっている花火を鏡の隅で見ながら
薫の腰を掻き抱いて、強く打ち付ける。
そんな俺の声が聞こえているのか聞こえていないのか、先程から嬌声をあげっぱなしの薫。
貪欲に俺を飲み込もうと煽動するそこに、思い切り自身を突き立ててやると、一際イイ声がその口から零れ落ちて。

「薫…」

その身体を掻き抱いて、首筋に顔を埋める。
シャンプーと、煙草と、汗の匂い。
俺の思考回路を焼く甘い香りが、鼻先を擽って。

腰に腕を回したままで、大きく腰を打ち付ける。
じっと鏡を見つめれば、ぐしゅぐしゅと濡れた音を零し続けるソコから薫の白い腿に溢れた蜜が伝い落ちていて。

「薫、やらしい…」

脚の先へと流れていこうとするソレを指先でなぞってやれば、くすぐったさにか震える爪先。
悪戯に急に抽挿するスピードを速くし、突き込むタイミングを短くしてやれば
薫は身体を揺さぶられるがままの状態で、ただ喘ぐ。

「あアァッ、は、ダイ……!!」

姿見についた手に力が込められ、前のめりになった身体。
顔が、鏡に当たるスレスレで。
吐息が鏡面を白く曇らせていく。

「ダイ………ッ!!」

首が捻られて。薫が此方側を振り返った。
求められるがままに口付けを与える。
もう限界近いことは一目瞭然で。

「も、イく……!」

息継ぎを与えない口付けを無理矢理解いて、薫が呟いた。
俺も、とその言葉に短く答え、再び口唇を奪う。
開いた片手を薫自身に添えて扱き上げながら、
掻き抱いた腕をそのままに、強く強く、その身体に杭を打ち付けて。

「ん――――――ッ!!」

くぐもった声が響く。
びしゃ、と濡れた音をたてて吐き出された絶頂の証。
強く締め付けられるがままに、俺も薫の中で限界を迎えて。

「……ッ!!」

その首筋に強く吸い付きながら、熱い熱いソコに熱を迸らせた。






イった瞬間、くたりと身体の力を抜いた薫を慌てて抱きかかえる。
強く握りしめていた姿見からずるりと落ちる縛られたままの両腕。
腰を抱いたままで自身を引き抜くと、太股を伝っていた赤い蜜にまじって白い液体が零れ落ちた。

「…愛してんで」

その身体を腕の中で反転させて。
薄く開かれたままの口唇に口付けを落とす。
どうやら意識を飛ばしてしまったらしいその身体を、そのままベッドに横たわらせて。

腕から帯を解いてやると、余程擦れたのか赤い摩擦傷が残っていた。
思わず顔を顰めながらソコに労るように口付けを落とす。
もう脱げたも同然の浴衣を腕から引き抜いて、シロップやら何やらいろんな液体にまみれた身体を
バスルームから持ってきたタオルで綺麗に清めてやって。
その身体にタオルケットを被せてやってから、静かにベッドサイドに腰掛けた。

ただ静かに吐息を零す薫の顔を見つめながら、その髪を梳いてやる。
結い上げられていた髪は、今はもうバラバラに解けてシーツの上を流れていて。
頬にかかる髪を掬い上げると、そっとその口唇に口付けを落とした。

「うれしかったで、薫」

思わぬサプライズのおかげですっかりハメをハズしてしまったのだけれど。
愛しい恋人にはこうしてしてやられてばかりや、と思わず苦笑する。

惚れた方が負け、っていうけどな…

「ホンマに…薫には敵わへんわ、俺」

どんなに可愛い子を横に連れてても、目移りするときはしてた。
悲しきかな、それが男の性やねん。
腕を絡ませて何やら一生懸命喋ってる女の子の話に、耳を傾けるフリをしながら適当に相槌を打ちつつも、
視線はふらっと他の部分を彷徨ったまま。
それに気付いた女の子に不満げにぎゅう、と耳たぶを引っ張られる。
そんなことを繰り返してた、俺が。

逆に目を離せへん、なんて。
信じられる?



あまりに愛しすぎて。
誰にも見せることなく、この腕に閉じこめておきたいとすら思う。

それは叶うことのない願望やけど。



「薫」

花火の後の微かな火薬の残り香を感じながら、そっと薫の手を取って。
文字の刻まれた甲に口付けを落としながら、目を閉じる。
疼くような胸の痛み。甘くて、切なくて、泣きたくなるような。

「薫―――

その名前を象るだけで、こんなにも。
胸が満たされるのは、きっと世界中探してもこの人しかいない。

好きで。
大好きで。
愛おしくて、苦しい。

「大好き、やで―――

部屋に響き渡った声が微かに涙を含んでいたことに、気付かないフリをして。
ただ、その手を握りしめた。

緩く、無意識下で握りかえされる指先。
たったそれだけで、こんなにも胸が躍るのは。



きっと、今までもこの先も

――――――君しか、いない






ただ、切に祈る。
願わくば、来年も、また次の年も。
薄紅色の桜の花を愛でるたび、夜空に華開く鮮やかな花火を見上げるたび、
色付く紅葉を踏みしめるたび、白い雪景色に感嘆の声を上げるたび。
永劫未来、君の隣りにあれますように。



君の傍に、あれますように―――

 

END

 

花火終わりましたー
がっつりエロを書こう!と意気込んで書き始めたこの話、
浴衣でしっとりいこうと思ってたのにいきなり苺シロップ持ち出したりとか姿見が出てきたりとか
果てはネクタイで目隠しプレイとか変態プレイに持ち込んでスイマセ…!汗
でもめっちゃ楽しかっ(以下自主規制