どんな セックス よりも
どんな ドラッグ よりも
どんな キ ス よりも
感じてみせて
feeling
濡れた音がやけに鼓膜を刺激する。
下肢に沈んだ薫くんの髪を柔らかく梳きながら、その姿を見つめて。
微かに目を細めて笑うと、ぐぃっとその頭をこちらに引っ張った。
「んぅ…っ!?」
突然俺自身を奥までくわえ込むことになったからか、苦し気に薫くんが呻く。
濡れた瞳が、俺の顔を見上げた。
「飲んでね?全部」
口から時折零れる白い液体を拭ってやりながらそう言うと、しばらくの間の後でこくりと薫くんが頷く。
中途半端に煽っていた熱を、早くどうにかしてほしくて仕方ないんだろう。
普段ワガママでプライドの高い薫くんが素直になる瞬間。
熱に浮かされたこの瞳が、好きだと思う。
「やらしい、薫くん」
甘く囁いて、薫くんの髪に指を通してぎゅっと掴む。
ちゅっと吸い上げられた瞬間、生暖かな薫くんの咥内に熱を吐き出した。
突如口の中を溢れ返った液体に、薫くんが成す術もなくげほげほと噎せ返る。
飲み込み損ねた液が、その顔に飛んで。
何が起こったのかわからず呆然としている薫くんを抱き寄せると、俺はそっと頬に唇を寄せた。
咥内に広がる青臭い苦みに眉間を寄せながらも、よく出来ましたとばかりに濡れた唇に口付けを落とす。
何度も繰り返す、啄むだけのキスの合間。
「トシ…ヤ…」
「ん?」
「早く…」
唇が触れ合うぎりぎりの位置で、愛撫が強請られる。
何より唇にかかる熱を持った吐息が、薫くんに余裕がないことを明白に示していて。
俺はその唇を再び塞ぐと、ゆっくりと薫くんの体を組み敷いた。
敢えて愛撫を待ち侘びている薫くん自身には手をかけずに、内股のラインを指先でなぞっていると。
「トシヤ…」
泣きそうな声で、薫くんが俺の名前を呼んだ。
限界が近いのか、中途半端に煽られた熱が苦しいのか、そのどちらともなのか。
やけに余裕のない表情で、ぎゅっと腕を掴まれた。
「ん?」
ここでどうしたの?なんて聞く俺も意地が悪いな、と思いながらもそう問い掛ける。
わかってるくせに、と言わんばかりに睨み付けて来る薫くん。
そんな潤んだ瞳で睨まれたところで恐いわけがなくて。
やはり何もしようとしない俺に焦れたのか、諦めたようにその口を開いた。
「何とか…しろやっ!」
あくまで命令口調な薫くんに微かに笑いながらゆっくりと内股をなぞりあげると、ひゅっと薫くんが息を飲んで。
「ココ?」
熱の先端に指を押し当てると、途端に溢れた蜜に指先が濡れる。
言葉を紡ぐ余裕もないのか、こくこくと頷くだけの薫くんにちゅ、と口付けを落として。
足の付け根に所有物の証であるキスマークを付けると、のぞかせた舌でつっ、と薫くん自身をなぞった。
「っあ、トシ…!」
濡れた声が、俺の名前を呼んで。
ぎゅっと、髪に通された指に力が込められる。
喘ぐ声が、ひどく愛おしくて。
その声が俺の名前を紡ぐのが、嬉しい。
「トシヤ……!」
余裕のない切羽詰まった声が室内に響き渡る。
軽く歯を立ててやりながら舌で愛撫を繰り返していると、すぐに咥内に溢れ返る愛液。
肩で息を繰り返す薫くんに、労るように口付けた。
「薫…」
手を伸ばす。
その体に、お互いの何もかもに触れていたいから。
この瞬間だけでいい。
世界でたった2人っきり…そんな錯覚に陥りたいと願ってしまう俺は、どこか狂ってるのかな?
いや、もう狂ってるか…この、愛しいヒトに。
「もっと魅せてね」
俺だけに見せてくれる、その愛しい表情に。
ただ、願う。
願わくば、いつまでも俺の腕の中にいてくれることを。
今も、そしてこれからも。
俺だけに、溺れていて。
END