口唇が触れた、その瞬間
―――ジン、と
小さく電流が走ったかのように、そこが熱くなるのを感じた
Private Lesson
-How to date?-
8thdate
交わした口付けは、触れるだけですぐに離れて。
そのまま頬を両手で覆われ、ちゅ、と軽いキスを顔に落とされる。
鼻先に触れた瞬間、強くなるダイの匂い。
「ん…」
「薫くん、好き。好き…」
口付けの間に、囁かれる言葉。
催眠効果でもあるのか、自分の体の中で甘く響くそれに
ただ酔いしれて。
触れてくる口唇のやわらかさにぼんやりとしていると。
「なぁ…」
「ん…?」
「さっきの言葉、撤回してええ?」
ちゅ、と目元に口元を落としながら
ダイが掠れた声で問いかけてくる。
「さっきの、って…?」
「初デートでベッドインせんって話。今すぐ、シたい」
「え…?」
問いかけてきたわりには、否定も肯定もさせてくれへんのか
そのままダイに口唇を塞がれて。
手際よく腰を抱かれて、あれよあれよという間に
ベッドにエスコートされる。
「え、ちょ、ダイ…!」
「ごめん、なんか止まらん…」
どさりと転がされたベッドの上。
見上げたダイの瞳は、さっきと同じく『何か』を溶かし込んでいて。
今、この状況になって、このシグナルの意味を知る。
これは
この瞳は―――
「抱かせて」
その意味を知った瞬間、耳元で囁かれる言葉。
熱い吐息と共に吹き込まれたソレに、
ずく、と腰の辺りが疼いて。
「ぁ…」
思わずぼぅっとなった俺の顔を見つめて、ダイが微笑む。
その笑った雰囲気ですら、いつもと違う、
“オス”の気配を感じさせて。
さしずめ今の自分は、肉食獣に射竦められた獲物ってとこか、なんて。
高鳴る鼓動を余所に頭の片隅でそんなことを思う。
「薫?」
「んっ…」
両手を押さえつけられて、そのまま首筋に顔を埋められる。
熱い舌が、ゆっくりとそこを這って。
その熱と感触に、びくりと身体が震えた。
「なぁ、このまましてええ…?」
「えっ、んっ、ふ……」
答えを返す間もなく、そのまま開いていた口唇を塞がれる。
ねっとりと、口内を舌が這う感触。
火傷しそうに熱いそれが自分の舌と触れ合ったと思った瞬間、
強い力で絡め取られた。
「んんっ…!!」
今まで付き合ってきた女の子たちとしてきたのとは
明らかに違う、口付け。
まさに、“食われる”という表現がピッタリなそれに
抵抗することも出来んまま、いいように口内を蹂躙されて。
「はっ……」
息が出来ない苦しさに、酸素を求めようと口を開けば
さらに深くなる口付け。
何とか距離を取ろうとダイの背中を弱く叩けば、
呆気なく両手を拘束されて。
「ンーッ!」
「…ッ」
がり、という感触がした、と思った瞬間、
ようやく口付けが解かれた。
肩で息をしながら息苦しさに潤んだ瞳でダイを見上げれば、
口の端を親指でぐい、と拭っている。
そこに微かに滲む、赤い液体。
「あ…」
掠れかけていた意識の中、俺が噛んだんや、とぼんやりと思い当たって。
どうしよう、謝るべきなんかな、と口を開きかけると。
ダイの舌がのぞいて、おそらく切ったのであろうそこを
ぺろりと舐めた。
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